西日本新聞は9月12日付で下記のカジノに関連するニュースを伝えている。
マカオでカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を運営する香港の大手IR事業者が、北九州市のJR小倉駅北側の国際会議場やサッカースタジアムが集積するエリアに関心を示している。今夏、関係者が来日し、市幹部とともに現地を視察。市はIR誘致に慎重な姿勢で、12日の市議会でも「極めて困難」との見解を示したが、地元政財界の一部には誘致推進を強く求める声もあり、海外からの思わぬ「関心」に波紋が広がっている。
香港の事業者が関心を示すのはJR小倉駅北側の海に面した約25ヘクタールと周辺の地域。地元サッカーチームの本拠地・ミクニワールドスタジアム北九州や市立公園のほか、西日本総合展示場などの大型コンベンション(MICE)施設がある。
関係者によると8月中旬、事業者側が市側に関心を伝え、訪日した。事業者は現在あるMICE施設を建て替え、周辺の商業施設の土地も含めて利用したい意向も示したという。
北九州市では経済界の一部がIR誘致を地元経済活性化のための切り札として期待する。誘致派の一人は「新幹線に近い交通アクセスは強み。駅北側のにぎわいづくりは長年の課題で、市にとって良いこと」と歓迎する。
市議会の賛否は分かれており、市は7月に海外のIR事業者を対象に聞き取り調査をするなど誘致の是非を検討してきた。北橋健治市長は8月22日の定例記者会見で「具体的な提案があれば丁寧に対応する」としつつも「市が積極的にIRの適地を探すことは考えていない」と慎重な姿勢を強調している。
IR整備法では立地地区は最大3カ所とされ、横浜市や大阪府・市、長崎県などが名乗りを上げている。政府は来年中にも選定し、開業は2020年代半ばの見込み。北九州市は12日、市議会9月定例会一般質問の自民市議に対する答弁で、「小倉駅周辺」に事業者が関心を寄せていると明かし「期限に間に合わせるのは現実的には極めて困難だが、引き続き勉強を重ねたい」との見解を示した。