カジノ、日本人は現金のみ、高額取引は届け出 -IR制度大枠

カジノを含む統合型リゾート(IR)に関する政府の有識者会議

 
政府は31日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の制度の大枠をまとめた。
 
一つの区域にカジノ、ホテルなど中核施設を整備し、訪日外国人観光客の増加と滞在型観光の推進を目指す。ギャンブル依存症対策として、カジノ施設ではフロア面積に上限を設けるほか、日本人利用客を対象に入場回数を制限し、クレジットカードの利用を認めず現金のみとすることなどを盛り込んだ。
 
政府は、今秋の臨時国会にIR実施法案を提出する方針。成立すれば、カジノ以外を含むIRを規定した法制度は、世界で初めてとなる。
 
 
大枠によると、IR区域にはカジノ、ホテルのほか国際会議場・展示場、美術館などレクリエーション施設、国内旅行の提案施設を必ず整備する。IRの利用客が日中は観光や会議への出席、夜はカジノで過ごすことを想定している。
 
認定数に上限を設定した上で国土交通相がIR区域を認定し、整備計画を策定する都道府県、政令市とIR事業者を監督する。カジノについては、強い権限を持つ3条委員会として「カジノ管理委員会」を内閣府の外局に設置。免許付与、調査、違反者への行政処分などを担う。国交相はIRへの立ち入り検査や指示、認定取り消しができる。
 
 
日本人利用客の入場回数は、マイナンバーカードの提示を義務付けて確認。上限を超えた場合は入場を認めない。20歳未満は入場を禁止。外国人旅行客以外の利用客からは、地域活性化などの公益に活用するため入場料を徴収する。
 
カジノで使用するチップは、現金でのみ購入可能で、カジノ施設内への現金自動預払機(ATM)の設置は禁止する。外国人はクレジットカードを使用できる。
 
反社会的勢力の影響を排除するため、暴力団員の入場は禁止。カジノ事業は免許更新制とし、IR事業者の役員や関係者の交友関係を調査する。マネーロンダリング防止のため、一定額以上の現金取引については届け出を義務づける。