24日の香港株式市場でハンセン指数は小反発した。大引けは前日比21.40ポイント(0.10%)高の1万9830.43だった。中国ネット大手の騰訊HD(テンセント)や主力金融株の一角に買いが入り相場全体を下支えした。
マカオカジノ銘柄も高かった。半面、米早期利上げ観測が意識されたことは重荷だった。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の参加する討論会を27日に控え、米金融政策の行方を見極めたいとして様子見ムードも強かった。指数は前日終値を下回る場面も目立った。
ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、20が上昇、25が下落し、5が横ばいだった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は447億香港ドルと、前日に記録した今年の最低水準(437億香港ドル)とほぼ同水準にとどまった。
テンセントが続伸。スマートフォン(スマホ)向けゲーム世界大手のスーパーセル(フィンランド)の株式をソフトバンクグループから買い取る方向で交渉に入ったと前日に伝わった。銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント)は5%高だった。4月にマカオへの中国本土客が増加したほか、今月から実施したマカオの賭博場内での携帯電話の通話禁止について、VIPルームの売上高に与える影響が限定的になっていると伝わったのも好感された。ほかのマカオカジノ銘柄も軒並み高かった。英系金融大手のHSBCや中国中国工商銀行もしっかり。
半面、前日の米原油先物相場の下落した流れを引き継いで中国海洋石油など石油株が下げた。足元の売買低迷を嫌気し、香港証券取引所を運営する香港交易所も売られた。通貨を米ドルと連動させる香港で金利の先高観が意識され、新鴻基地産など香港系不動産株の一角もさえなかった。
中国・上海株安は重荷となり、H株(中国本土企業株)指数が3営業日ぶりに小反落、0.01%安の8306.56、レッドチップ(中国本土系香港企業株)指数は続落し、0.72%安の3471.44だった。(NQN香港=桜田一美氏)