自民党はカジノ解禁を柱とする「特定複合観光施設区域整備推進法案」について、今国会での成立を断念、先送りする方針を固めた。党幹部が11日、明らかにした。
公明党が依然、解禁に慎重なことに加え、安倍政権の最重要課題である安全保障関連法案の成立が見通せないことから、同法案の処理を優先せざるを得ないと判断した。
党幹部はカジノ法案について「臨時国会でやる。今国会は安保法案がある」と明言した。
安保法案を成立させるため、国会会期を9月27日まで大幅延長したものの、世論の逆風が強まり成立時期はなお見通せない。こうした中、賛否の分かれるカジノ法案を強引に進めれば、安保法案に響きかねないとの懸念があるとみられる。
公明党の慎重姿勢に変化がないことも大きい。同党の大口善徳国対委員長はかねて、ギャンブル依存症対策が不明確であることを理由に、今国会での審議入りは「考えていない」と表明。
山口那津男代表は11日の記者会見で「わが党の国会対策委員会から一定の見解を述べているので判断を任せたい」と、この立場に変わりがないことを強調した。
カジノ新聞