世界最大級のカジノ運営会社、米MGMリゾーツ・インターナショナルは、9月にも東京都と大阪府に日本法人を設立する方針を明らかにした。カジノを含む統合型リゾート(IR)の法案が、秋の臨時国会で継続審議されることをにらみ、日本市場進出の拠点とする。
政府は推進法案成立後、速やかに具体的な法整備に取りかかる方針。2020年東京五輪に向けてカジノを核とした大規模なIRを国内数カ所に建設したい考え。米国ラスベガスで巨大IRを運営するMGMリゾーツは「日本に合った独自のIRを実現する」(ジェームス・ムーレン最高経営責任者)ため、複数の国内企業とのコンソーシアムを設立するため、首脳陣が頻繁に来日している。
IR候補地ともなっている東京と大阪の2カ所にほぼ同時期に事業拠点を設置することで、国内企業との交渉を進展させる一方、MGMリゾーツの情報提供にも注力する。
ただ、IRによる地域活性化や税金収入を当て込む自治体は多く、2大都市のほか北海道や横浜、九州、沖縄など各地が誘致に名乗りを上げている。数千億円から1兆円を超える巨大プロジェクトになるだけに、海外の大手IR会社の参入意欲は強い。
ムーレン氏も「建設地を決めるのは日本だが、複数の案件に参入したい」と意欲を見せており、いち早く日本に足場を作ることで、企業や自治体との交渉を優位に進めたい考えだ。(by SankeiBiz ラスベガス 芳賀由明氏)
カジノ新聞