いよいよ秋の臨時国会にカジノ法案提出へ(NHKも報道)

日本でのカジノ解禁に向け議連が総会、秋の臨時国会に法案提出へ

日本でのカジノの合法化や観光産業の誘致を議論する超党派議員グループ「国際観光産業振興議員連盟(IR議連)」は24日、総会を開き、今秋の臨時国会に議員立法での法案を提出し、早期の成立を目指すことで一致した。日本でカジノが解禁になれば、娯楽・観光の発展、雇用拡大、経済活性化につながるとの見方から、この日の総会には約300人の議員や業界関係者が詰めかけた。

総会では幹部人事を確認し、IR議連会長は自民党の細田博之幹事長代行、幹事長は岩屋毅・衆議院議員が務めることが決まった。

同議連の最高顧問には安倍晋三首相と麻生太郎副総理の2人がすでに就任していたが、きょうの総会で石原慎太郎・日本維新の会共同代表、小沢一郎・生活の党代表の最高顧問就任も確認された。IR議連に加盟する議員は自民党、民主党など幅広い政党から計140人。共産党と社民党の議員は不参加となっている。

細田会長は冒頭、「参議院選挙明け(の法案提出)を目指して問題を集約し、必ず実現に持っていこう」と語った。

現在、日本でカジノ運営は違法だが、経済的に豊かな国であることや、中国からの観光客が見込める立地、またすでにパチンコが浸透していることなどから、日本はマカオに次ぐ大型カジノ市場になるとの指摘がある。日本でカジノが解禁されれば新たな税収源ができ、危機的な財政の下支えになるとの見方もある。

証券会社CLSAは、カジノ解禁後に大規模カジノリゾート施設が2か所できれば、それらの施設から生まれる娯楽関連収入は少なくとも100億ドル規模になり、シンガポール(59億ドル)や米ラスベガス(62億ドル)を上回ると試算している。

経済効果への期待から、実業界の幅広い支持を得られる可能性も大きい。すでにラスベガス・サンズやゲンティン・グループなど、海外のカジノ運営会社が日本進出に意欲を示している。

みずほ証券は3月に出したリポートで、カジノ解禁の恩恵を受ける企業として、セガサミーホールディングスや電通、コナミ、カジノ開設候補地とされるお台場に本社のあるフジ・メディア・ホールディングスなどを挙げている。

もっとも、政治的支持が十分集まるか疑問視する意見はなお多い。昨年、東日本大震災復興資金とすることを目的とするカジノ法成立を目指す動きがあったが、12月の選挙を前に立ち消えとなった。

ゲーム業界の専門家で、スペクトラムOSOアジアのポール・ブロムバーグ最高経営責任者(CEO)は「日本に間違いなく投資、雇用をもたらすプロジェクトの1つがカジノ産業。問題は、実現に向けて結束できるかどうかだ」との認識を示した。
(By Reuters:Nathan Lane // 翻訳協力:武藤邦子 編集:内田慎一)




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