大阪カジノ構想成功のカギ(特ダネ)

橋下徹大阪市長(43)と松井一郎大阪府知事(49)らが18日、大阪市内で会談し、「大阪観光局」の4月新設などを決めた。大阪府市は2020年までに海外からの年間旅行者数650万人達成を目標に掲げる。その秘策として松井氏はカジノを含む統合型リゾート(IR)を示唆。「大阪府へのカジノリゾート誘致計画」について“カジノのプロ”五十嵐政一氏(81)が成功のカギを本紙(東スポ)だけに語った。

大阪府は大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」にカジノを含めたIRの誘致を計画している。全国の自治体で、構想が生まれてはポシャってきたカジノの実現に期待は高まるが、日本初の施設だけにノウハウは海外から導入せねばならない。そこで府からアドバイザーとして助言を求められたのが、マレーシアで40年以上も複数の企業を経営する五十嵐氏だ。

世界にグループを広げるマレーシアのカジノ「ゲンティン」を1970年に設立したメンバーで、昨年12月の都知事選に出馬。落選したが、「カジノを作る!」と公言し続けたことに目をつけた大阪府から協力を依頼された。府の責任者との話し合いもすでに行っている。

五十嵐氏は、海外のカジノは自国民からカネを取るのではなく、外国人が遊んで外貨を落とすことを目的としていると強調。

「ラスベガスやマカオなどのカジノのターゲットは日本人客。大王製紙の会長が負けた数十億の金はどこに消えましたか? 海外でしょ。海外の連中が次に狙っているのが日本市場。日本で上がった利益が海外に流れたら全く意味がない」

では、どうやって日本のカジノに海外の客を連れて来るのか。「まず、すでに日本にいる300万人の外国人を客にする。私のパイプを使えばゲンティンの客もすべて日本に流すことができる」

大阪府と五十嵐氏が組んで、海外のカジノとの連携を考えるというのだ。カジノの利益の取り分は府に50~60%が妥当という。

「リゾートの敷地内でカジノが占めるのは1割。ホテル、飲食店など残りの9割の施設が生んだ利益は府の収入。カジノ自体は初詣の神社で、単体での儲けは一番大きいが、トータルでは交通機関や周りの飲食店が儲かる額の方が大きい。24時間営業だと、夢洲では最初に最低でも3万人の雇用が生まれる。彼らが泊まる家も必要。波及効果がある」

外国人集客に必要なのは知名度の高い日本の象徴的存在だ。「外国人の大阪のイメージは汚い。『大阪カジノ』じゃ客は来ない。『サムライ』や『マウントフジ』を名前に付けることが重要だ」と話す五十嵐氏はさらに、日本の既存娯楽産業にも外国人客を流せると話す。

「外国人がパチンコとスロットをやらない理由はうるさい音と、たばこの煙。彼らにとって騒音は賭け事の敵だ。カジノのワンフロアはパチンコにして(演出音を絞り)静かで禁煙の店にする。そこで初めてなじんだ外国人がリゾート外のパチンコでも遊ぶ。一部の店を同様の環境を整えた外国人向けにする条例案も考えられる」

同様に競馬やボートレースなどにも外国人客を取り込めるともいう。そのためには「トラベラーズチェックの現金化や両替施設を作ること。ないから競馬場に来ない。それを作るだけで客は入るよ」。

五十嵐氏の元には千葉や神奈川、長崎からもオファーが届いているという。大阪府が今後、五十嵐氏の助言を受けて計画を修正する可能性もある。同氏は今夏の参院選の出馬を決めており、当選すれば“カジノ専門参院議員”の誕生だ。


五十嵐政一(いがらし まさいち)(社団法人『セリーマレーシア協会』副理事)

※2012年東京都知事選立候補時の五十嵐の都政政策
『東京の財源確保・景気回復などのため、築地の跡地・羽田空港跡地・お台場跡地にカジノをつくる。英語教育の充実。』




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