カジノ王ホー氏のSJM幹部が訪台で台湾進出にも意欲

星島日報(香港でもっともポピュラーな日刊紙のひとつ)によると、マカオのカジノ最大手でスタンレー・ホー氏系の澳門博彩(SJM)の幹部が最近、カジノ解禁の機運が高まる台湾を頻繁に訪れている。

蘇樹輝(アンブローズ・ソー)最高経営責任者(CEO)ら幹部は先ごろ、台湾の王金平立法院長(国会議長)と会ったとされ、台湾進出への意欲を表明した可能性が指摘されている。

マカオのカジノ市場は全体としてパイが拡大しているものの、大型カジノリゾートの新規開業が相次ぎ、競争が激化している。このため、SJMは「脱マカオ」の検討を開始しているとみられる。

同社が新規市場として有望視しているのが台湾で、王院長との会談も、台湾でカジノが解禁された場合、真っ先に進出するための布石と受け止められている。消息筋によれば、蘇CEOは半年前に金門島で地元首長とも会談したという。

台湾では今年7月、離島の馬祖列島(連江県)でカジノ事業解禁の是非を問う住民投票が行われ、賛成多数で可決された。これにより、台湾で初となるカジノ開設が実現する可能性が出てきた。

また、澎湖諸島(澎湖県)でも2009年9月に同様の住民投票が行われ、反対多数で否決されたが、同県でも今年9月以降に住民投票の再実施が可能となっている。

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橋下大阪市長、意欲満々「任期中にカジノ誘致を」(ローレンス・ホー氏との会談)http://www.casinoshinbun.com/newslist/news/1201/

【 豆知識 】 SJMとマカオのカジノ王「スタンレー・ホー」!

 

 

 

 

 

 

※[ニイハオお父さん]紹介データありがとうございました。

【事業内容】
業種 ホテル・娯楽・エンターテイメント

カジノ王スタンレー・ホー氏が率いるマカオ・カジノ業界きっての有力企業である、マカオ・カジノ業界の最大手。VIP向け、一般向けのテーブルゲーム、スロットゲーム等のサービスをそろえる。カジノの他にはホテル経営など。マカオに28ヶ所あるカジノ場のうち18ヶ所を経営。

カジノ業務、関連施設の運営、ホテル経営、ケータリング、関連サービス。  部門別売上高:ゲーム(98.95%)、ホテル、ケータリング(1.05%)。
地域別売上高:マカオ(100%)。従業員数 19,585名。

【企業情報】
カジノ業務、関連施設の運営。老舗ホテル「リスボア」をはじめ19件のカジノを通じて、
VIPルームのテーブル305台、一般テーブル数1107台、スロットマシーン3702台を運営。
部門別:VIPカジノ(64.12%)、テーブルゲーム(33.21%)、スロットマシン(2.66%)、その他(0.01%)。

【企業概要】
マカオ・カジノ市場を1962年から40年間独占してきたが、02年の市場開放を期に、カジノ施設をSJMに売却。SJMのカジノ収入はマカオ全体の4割を占めている。

【時価総額】
2012/04/16 (1HK$=10.375円) 時価総額:9,328億円

【SJM系列のカジノ】
マカオ本島  2008年2月オープン ポンテ13 Ponte13

2007年2月オープン
グランドリスボア Grand Lisboa (新葡京娯樂塲)
リスボア Casino  Lisboa(葡京娯樂塲)
カムペック Kam Pek Casino de Louvre (金碧羅浮宮娯樂塲)
ファラオパレス Pharao Palace Casino(法老王宮殿娯樂塲)
バビロンカジノ Babylon Casino(巴比倫娯樂塲)

2007年1月オープン
グランドエンペラー Grand Empelor(英皇皇宮娯樂塲)
ゴールデンドラゴン Casino Golden Dragon(金龍娯樂塲)
ホリデイ・イン・マカオ Diamond Casino (澳門假日鑽石娯樂塲
フォーチュナマカオ Fortuna Casino (財神娯樂塲)
カーサ・レアル Casa Real Casino (皇家金堡娯樂塲)
マンダリンオリエンタル Casino Oriental(東方娯樂塲)
ハイアライ Jai Alai (回力娯樂塲)

タイパ島
2004年12月 オープン
ギリシャ神話カジノ Greek Mythology Casino(希臘神話娯楽場)
リージェンシー Casino Taipa (海島娯楽場)

1998年オープン
グランドビュー Grandview Casino (君怡娯楽場)
カジノマリーナ CasinoMarina(遊艇会娯楽場)

【SJM経営】
SJM経営カジノ
グランドリスボア(Grand Lisboa)
カジノリスボア(Casino Lisboa)
カジノポンテ16 (Casino Ponte 16)
カジノバビロン(Casino Babylon)
カジノCasaリアル(Casino Casa Real)
カジノダイヤモンド(Casino Diamond)
カジノ天皇宮殿(Casino Emperor Palace)
カジノメールFortuna(Casino Fortuna)
カジノゴールデンドラゴン(Casino Golden Dragon)
カジノジャイアライ(Casino Jai Alai)
カジノカムpek(Casino Kam Pek)
カジノのKingsway (Casino Kingsway )
クラブvip伝説(Club VIP Legend)
カジノマカオ宮殿(Casino Macau Palace)
カジノマリーナ(Casino Marina)
カジノマカオジョッキークラブ(Casino Macau Jockey Club)
カジノ新世紀(Casino New Century)
カジノオリエンタル(Casino Oriental)
カジノtaipa(Casino Taipa)

SJMスロットマシンラウンジ
マカオジョッキークラブスロットラウンジ(Macau Jockey Club Slot Lounge)
タイガースロットラウンジ  (Tiger Slot Lounge)
スロットウィナーズバーラウンジ    (Winner’s Bar Slot Lounge )
イエンスロットラウンジ(Yat Yuen Canidrome Slot Lounge)

【ホー企業】
親会社はホー氏とその家族が経営するマカオで最初のカジノ企業マカオ旅遊娯楽有限公司(STDM)で、上場計画を打ち出した06年に香港で設立され、カジノ資産の多くが注入されている。

【代表】
スタンレー・ホー氏(総裁)。
香港トップの大富豪の李嘉誠氏に並ぶ経済界のスーパースター。「マカオのカジノ王」と呼ばれ、07年には経済誌「フォーブス」の世界富豪ランキング66位にランクイン、一代で歴史に名を残した立志伝中の人物。

中国へのマカオ返還により、同氏の35年以上にわたって続いていたカジノ経営権の独占状態が終了したが、依然、マカオの多くの利権を握っている。傘下の企業を通じて旅行、流通、不動産、金融、空運などを手掛け、その資産総額はおよそ36億米ドル。

同氏の傘下企業が支払う税額はマカオ政府の歳入のおよそ3分の1を占めている。これまで数々の功績を挙げてきた同氏もすでに86歳。そこで引退前の「最後の大仕事」として、このたび念願であ
った澳門博彩のIPOに踏み切った。

【経緯】
博彩は、老舗カジノ「リスボア」を始めとするカジノやホテル経営を行う。ホー氏がライバル会社に対抗して拡大戦略をとる中、06年にマカオ旅遊娯楽(STDM)から分離し、上場計画も発表した。結局、博彩は06年に計画した150億香港ドルの資金調達を、38億5000万香港ドルと大幅に縮小し上場した。外部環境が悪化している中であえて上場に踏み切ったのは、カジノ併設ホテルや不動産開発などですでに総額215億香港ドルのプロジェクトを抱え、2011年までに187億香港ドルの資金が必要だったとみられる。

【係争】
当時STDMの株主だった実妹(ウイニー・ホー)がSTDMの配当金をきっかけに、自身とホー氏の間で長年確執があることを暴露。以降、上場計画が具体化するたびにこれを阻止し、計画は07年、08年とずれ込んでいく。

今年1月博彩がIPO(新規株式公開)の公募を始めるや、実妹はホー氏やSTDMが保有する博彩株の売却の非合法性を説き、香港証券監督管理委員会(SFC)が急きょ博彩にIPOを中止させる異例の措置に出た。

仕切り直しとなった今回も公募活動中に、実妹は「投資家の利益に反する」などとして裁判所に博彩の上場中止を訴えた。敗訴→上訴→棄却と進む間、同社の上場日は10日から16日に延期された。実妹は、最高裁への上訴を計画中で、波乱要因は未だ消えていない。実妹がとんだ「アキレス腱」だった。

【IPO】
実妹による再三の上場阻止にあった末、09年7月16日にようやく香港市場上場にこぎつけた。上場計画発表からあしかけ2年。予定がずれ込む間に、マカオのカジノ産業や株式市場を取り巻く環境は後退し、調達資金は当初計画の4分の1を余儀なくされた。
初日はマーケットに逆行して安値で引け、他のカジノ関連株の売りも誘う苦いスタートを切った。

博彩の上場初日は公募価格割れで引けた。しかもこの日はホー氏の子息が豪企業と合弁でカジノ経営するメル(00200)、ホー家族が運営する香港-マカオのフェリー会社信徳(00242)や、銀河娯楽など他のカジノ関連株も52週間安値をつける苦い1日となった。




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