台湾初のカジノ、住民投票でゴーサイン 離島の馬祖列島

= 台湾の馬祖列島、住民投票でカジノ誘致が賛成多数に =

台湾当局が統治し、中国に近接する離島の馬祖列島(連江県)は7日、カジノ誘致の是非を問う住民投票を行い、賛成が多数を占めた。
台湾でカジノ誘致に賛成した地方政府は初めて。中国の観光マネーを呼び込みたい推進派が勝利した。

連江県の有権者数は7762人。7日の投票率は40.76%で、投票者の約57%に当たる1795人が誘致に賛成した。

カジノが実際に開設されるには、台湾の立法院(国会)での関連法の整備などが必要。実現には最短で5~6年かかるとの見方もある。
推進派の楊綏生・連江県長(知事)は開票後の記者会見で「関連法案を早く通してほしい」と訴えた。

馬祖列島は中国・福建省沖にあり、大陸から最も近い場所はわずか10キロメートルの距離。台湾軍が対空ミサイル基地などを置くが、中台の融和で緊張は薄れつつある。主な産業は観光や基地関連の商売だが、過疎化に悩む。

台湾当局は2009年、離島に限ってカジノを解禁する条例を制定。これを受け、台湾本島の西にある澎湖列島で09年に住民投票が行われたが、否決された経緯がある。

一方、馬祖は目と鼻の先にある中国からの観光客に期待する。

台湾の交通部(交通省)によると、12年1~5月の中国から台湾への観光客は、約85万8600人と前年同期に比べ56%増えた。
08年の団体客の受け入れ解禁などで急増し、台湾の観光産業は中国マネーへの依存を強めている。

馬祖などの離島では01年、台湾本島に先駆けて中国との交流を部分的に解禁する「小三通(直接の通信、通航、通商)」を開始。
ただ、最近は中国人観光客は台湾本島に直接流れており、カジノ誘致で観光客を呼び戻す思惑もある。

連江県によると、県はカジノ1カ所当たりで、毎年20億台湾ドル(約54億円)の特別税収入を見込むという。
連江県商業会の林中超理事長は「税を空港などのインフラ整備に充てれば、カジノ以外の観光客も増え、雇用にも貢献する」と語る。

ただ、反対派は「自然破壊や治安悪化につながる」と主張する。

【米国のカジノ業者、台湾・馬祖列島進出に意欲】

米カジノリゾート開発大手、ワイドナー・リゾーツ(ネバダ州)のウィリアム・ワイドナー会長は9日に台北市内で会見し、
台湾の馬祖列島でカジノ誘致の住民投票が可決されたことを受けて「約600億台湾ドル(約1590億円)を投じてカジノや空港を整備する」と進出に意欲を示した。

台湾でカジノ誘致に賛成した地方政府は初めて。実現には最短でも5~6年かかる見通しだ。離島である馬祖は中国大陸に近接しており、中国の観光マネーを呼び込む狙いだ。




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