ギャンブル化「公認」へ向かう米国のオンラインゲームの波及か、
モバイルギャンブルの賭け金総額は、2017年まで年平均29%で成長の報告書。
日本の消費者庁がソーシャル・ゲームの「コンプガチャ」を規制する方向だと
報じられている一方で、米国では、オンラインギャンブルを許可する動きが
出てきているが、Juniper Researchが発行した報告書
『Mobile Gambling:Casinos,Lotteries&Betting 2012-2017年』によると、
ソーシャルギャンブル活動の急増、そして米国州内のカジノや宝くじサービスの導入が、
モバイルハンドセットおよびタブレットによる世界の年間賭け金総額を、
2011年の195億米ドルから、2017年には1000億米ドルへと拡大する見通しだと
報告した。
この間の年平均成長率は、29%になるとのことである。
一方、The Daily Yomiuriによると、消費者庁に近い情報筋からの話として、
「コンプガチャ」という人気のシステムを使ったソーシャルゲームを
国がまもなく規制すると報じている。
消費者庁はまだ公式決定を出していないが、広範囲におよぶ決定が出た場合、
収入の18~50%がコンプガチャの売り上げだという話もある
日本のソーシャルゲーム業界は縮小するおそれがある。
コンプガチャのシステムは、日本以外のソーシャルゲームには
それほど広まっていないが、西洋のソーシャルゲームに
ギャンブルに似た要素がないわけではない。
例えばPopCap Games社の『Bejeweled Blitz』ではゲーム内通貨を求めて
スロットマシンを回すし、Zynga社の『Texas Hold’em Poker』は、
カジノのシミュレーションだ。カジノがテーマのこれらのゲームは、
いずれも実際のお金こそ支払われないものの、
今やソーシャル・ゲームのカテゴリーでは最も人気がある。
一方、米国ではまったく違う方向に進む動きが出ており、オンラインギャンブルを
違法と位置づけていた米政府が、それを認める方向に大きく方針転換している。
「法律の管理下」という条件が付きながら、米ソーシャルゲーム企業は
新たに生まれつつあるチャンスを目指して一斉に動き始めている。
カリフォルニア州、ネヴァダ州およびニュージャージー州は、
さまざまなタイプのオンライン・ギャンブルを許可する法律をすでに検討している。
課税の対象となる売り上げを生み出す場所を新たに見つけ出して、州政府予算のマイナスを減らしたいからだ。
Zynga社のマーク・ピンカス最高経営責任者(CEO)は2月のカンファレンスで、
同社のソーシャル・ゲームにギャンブルというジャンルは合うし、
その方向を期待していると述べた。
最近サンフランシスコで開催された『Global Gaming Expo』の参加者たちも、
ソーシャルゲームで現実のお金を賭けることの合法化を期待していた。
全米全域で合法化されるのは2014年だとも予測している。
米国におけるオンラインギャンブル合法化の動きには、英国企業が世界に向けて
サービスを展開し、資金を集めていることも対抗する意図もありそうだ。
米国に住んでいても、インターネットを使えば
海外のサイトでゲームを遊ぶことができるからだ。
他国のゲームに資金が流れるぐらいであれば、
国内で正規に制度化して財源にした方がよいとする考え方だ。
ワイルドジャングルカジノをはじめとする英国や各国のオンラインカジノは、
日本からもプレーすることができる。
今後、米国での合法化が実現すれば、オンラインギャンブルを展開している
各社はもちろん、プラットフォームを提供するフェイスブック、
さらにはアップルなどスマートフォンを扱う企業にとっても
重要な収入源へと変わる可能性が高い。
これは米国が法律的な裏付けのある「合法的なRMT制度」を整備する動きだと
言い換えることもできる。
そして日本にもネットを通じて、サービスが流れ込んでくる可能性は十分にある。