ジェイ・Zの会社、ロック・ネイションが、SL Greenとシーザーズ・エンターテインメントとともに、ニューヨーク・タイムズスクエアの新しいカジノプロジェクトのプロポーザルに参加することを表明した。まだ入札の段階だが、現実のものとなる可能性は高いだろう。
彼らの計画がもし承認されれば、同エリアの7thアベニュー沿い(住所:1515 Broadway)に最新鋭のカジノ施設が建設されることになる。名称は、もちちん「シーザーズ・パレス・タイムズスクエア(Caesars Palace Times Square)」だ。
ジェイ・Zこと、ショーン・カーターは、2022年12月5日に出された公式声明の中で、次のように述べている。
「ニューヨークは文化の中心地。我々は世界の真の交差点であるタイムズスクエアの中心に新たな人気スポットを作れるかもしれない機会を得ました。SL Greenとシーザーズ・エンターテインメントとのパートナーシップによるこの連合は、地元、そしてこの州に来る全ての人に経済機会、成長、豊かさを提供することを約束し、コミットします」
シーザーズ・パレス・タイムズスクエアは、巨額の税収を生み出すことと、地元企業との提携によりニューヨークの悲願である経済回復の加速を目的として、「ジーザーズ・リワーズ(Caesars Rewards)」プログラムを導入する予定だ。会員が獲得したポイントは、ブロードウェイのショー、一流レストラン、そのほかのエンターテインメント施設、小売店、ホテル、コメディークラブなどで利用できるようにするという。地域のさまざまなビジネスへの集客と収益に効果的に貢献することを目指す。
ジェイ・Zらのパートナー企業は、カジノ建設による具体的な効果として、タイムズスクエアへの来訪者が年間で700万人以上になると想定。それにより新たにもたらされると見込まれているのは、地元ホテルにおける宿泊客が60万人以上、小売店での消費は1億6,600万ドル(約227億円)、地元レストランでの食事が700万食となっている。さらに、ブロードウェイのチケット販売も6,500万ドル(約89億円)、ブロードウェイでの雇用も500人が創出されると考えられている。
これほどの大きな目標を実現できるのはジェイ・Zだけだろう。このプロジェクトには、タイムズスクエアを今以上に地元の人々にとっての悪夢に変えてしまうかもしれないという懸念もある。ただ逆に、この界隈(かいわい)全体に新しい未来の風を吹き込む可能性も否定できないだろう。
ニューヨークのど真ん中にカジノができるというのは奇妙に聞こえるが、現在検討されているこの街のカジノプロジェクトはこれだけではない。4月には、ニューヨーク・メッツのオーナーであるスティーブ・コーエンが、シティ・フィールドの駐車場をカジノにするというアイデアを発表している。
ニューヨークは次のラスベガスになるのだろうか? 今後の展開が楽しみだ。