マカオ、2021年カジノ業界の経済貢献額は約1兆1536億円…対前年5割増、経営効率も改善顕著

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マカオ経済の屋台骨となっているのが、カジノを主としたゲーミング(ギャンブル)産業だ。マカオにはカジノ以外にも、競馬、スポーツくじ、ロトなどのギャンブルが存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

マカオ政府統計調査局は10月25日、昨年(2021年)のマカオのゲーミング業調査結果を公表。調査は主にゲーミング事業に関する統計データを収集したもので、調査対象企業が運営するホテル及びリテール事業に関するものは含まれない。

同年のマカオのゲーミング事業者数は前年と同じく9社だった。マカオは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を採用しており、両地の間では2020年下半期までに隔離検疫免除での相互往来が再開。これを受けて昨年はインバウンド旅客数が増加に転じ、ツーリズムアクティビティが一部再開したこともあり、業界の年間総収入は前年から42.0%増の908.1億パタカ(日本円換算:約1兆6721億円)で、3年ぶりに対前年プラスを記録した。内訳については、ゲーミング収入が45.1%増の875.4億パタカ(約1兆6119億円)、受取利息は1.7%減の26.1億パタカ(約481億円)。なお、業界の総収入は対前年でプラスとなったものの、コロナ前2019年の3割程度にとどまっている状況。

業界の総支出は前年から15.2%増の534.8億パタカ(約9848億円)。営業費用が45.4%増の144.7億パタカ(約2664億円)、購買・コミッション・顧客へのリベートが18.1%増の111.4億パタカ(約2051億円)となったのが主要因で、これらが支出全体の5割近くを占めた。このうち、いわゆるコンプ(ホテル宿泊、飲食、商品、サービス等の顧客への無料提供)費用が59.0%増の73.7億パタカ(約1357億円)。従業員支出は2.0%増の201.0億パタカ(約3701億円)で、支出全体に占める割合は37.6%。このほか、利息支出が15.0%増の44.6億パタカ(約821億円)に膨らんだことで、営業外費用が6.1%増の77.7億パタカ(約1431億円)に。

業界の経済貢献を示す付加価値総額は49.7%増の626.5億パタカ(約1兆1536億円)。業界の利益は92.3%増の425.5億パタカ(約7835億円)、利益率は12.1ポイント上昇の48.2%、経費利益率は36.5ポイント上昇の93.1%で、経営効率は前年から顕著な改善がみられた。このほか、大規模施設の完成、供用開始があったことにより、業界の総固定資本形成は13.0倍増の264.3億パタカ(約4867億円)となった。