山口県阿武町の誤入金をめぐる事件で、電子計算機使用詐欺罪で起訴された住民の田口翔被告(24)が、「問われた罪にあたらない」として公判で無罪を主張する方針であることが弁護人への取材でわかった。
初公判は10月5日に山口地裁である。
起訴状によると、田口被告は自分名義の口座に町から入金された4630万円が誤りによるものと知りながら、スマートフォンを操作してオンラインカジノサービスの決済代行業者の口座などに出金し、不法な利益を得たとされる。
同罪は、電子システムに虚偽の情報などを与えて利益を得ることが詐欺にあたるとするもの。
弁護人は、事実関係を認めた上で「被告が出金の際に入力した口座番号や金額などに『虚偽の情報』はない」と主張。また、過去の判例を根拠に「誤った入金であっても田口被告の預金となり、出金の権限があった」として無罪を訴える方針だ。