カジノに学ぶVIPマーケティングの極意

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カジノにおけるVIPマーケティングとは?

世の中には信じられないくらい資産を持っている人たちが存在する。一体、何ゆえにそんなにお金持ちなのだろう。

代々続く「オールドマネー」を受け継いでいる家系、何かのビジネスであっと驚くようなお金を生み出した人々、不正なものに手を染め莫大な私腹を肥やした者・・・

世界のカジノには超富裕層をはじめ、会社経営者、俳優、芸能人、スポーツ選手、文化人などが訪れてくる。海外カジノのVIP担当はそのような人たちと「ときどき」遭遇し、通訳やアテンド業務に従事する。世界の富裕層等は毎日のようにカジノホテルに滞在している可能性はあるが、お忍びも多いため、滞在が知れ渡らないよう施設は配慮していることが常である。

さて、この富裕層と呼ばれる人たちだが、日本ではどれくらいの割合が富裕層になるのだろうか。

2019年版の野村総合研究所の富裕層に関する調査によると、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満を「富裕層」、5億円以上を「超富裕層」とし、その両方を合わせた世帯数は132万7,000世帯にのぼると推計。世帯の純金融資産保有額が、5億円以上の「超富裕層」は8.7万世帯、1億円以上5億円未満の「富裕層」は124・0万世帯、5,000万円以上1億円未満の「準富裕層」は341.8・万世帯、3,000万円以上5,000万円未満の「アッパーマス層」は712.1万世帯、3,000万円未満の「マス層」は4,215.7万世帯と発表した。
(その他情報:https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2020/cc/1221_1

この情報をもとに円グラフを作成したところ、国内の「超富裕層」と「富裕層」の割合は、全体の2.5%程度に過ぎないことが確認できた。(下記図参照)

純資産の保有額が5,000万円から1億円未満の「準富裕層」グループの世帯数をそこに加えたとしても、富裕層カテゴリーの世帯数は全体の10%に満たないのだ。その他、90%以上の国民がどこかの「マス層」に属しているというのが現在の日本社会である。まさにピラミッド構造だ!

5年ほど前、「1億円以上の資産を持つ人は国内では100万人以上。よって国内のVIPプレーヤーは100万人以上と予測」と報告をしている方がいた。

それを見たとき「確かにその推計方法は、国内の潜在的なVIPプレーヤーを可視化する手法としては有効だが、カジノ現場のVIPマーケティングとしては抜け落ちている因子がある」と感じた。なぜなら、表面的な資産のみをカジノのVIPプレーヤーの推計基準とした場合、1億円以上の資産を保有していない、また物資的な資産の保有に興味のないVIPプレーヤーの存在を見落としている可能性があるからだ。

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