スポーツ賭博アプリ、女性の間で人気拡大 米国

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スポーツ賭博アプリに興じる女性は急増している。調査会社グローバル・ワイヤレス・ソリューションズの報告書によると、米国では昨年、460万人以上の女性がスポーツ賭博アプリを使い始め、女性ユーザーの数は前年から115%増加。男性利用者の数は今でも女性を250%上回っているが、男性の増加率は63%で、女性は倍近いペースで利用者が増えている。

米国賭博協会(AGA)が2019年に発表した調査結果では、スポーツ賭博のコア顧客の31%は女性だった。マーケティング企業ゲンバ・グループの調査では、スポーツファンの47%が女性であることが分かっている。

スポーツ好きを自認する人は、スポーツ賭博に興じる確率が倍以上になるため、これは将来スポーツ賭博を行うようになる可能性が高い女性の顧客基盤が存在していることを示している。賭博企業ファンデュエル(FanDuel)のエイミー・ハウCEOはヤフーファイナンスに対し、同社はここに「大きな機会」があるとみて、女性への訴求を積極的に試みていると語った。

米国では、大半の州でスポーツ賭博を禁止した「プロ・アマチュアスポーツ保護法」が2018年に無効とされるまで、スポーツ賭博を合法とする州は少なかったが、今では30以上の州で合法化されている。スポーツ賭博は昨年、賭け金総額約572億ドル(約7兆9000億円)から約42億9000万ドル(約5900億円)の収益を生んだ。

スポーツ賭博サイト「ウェイジャートーク(WagerTalk)」の共同オーナーで副社長のケリー・スチュワートは、一流ハンディキャッパー(スポーツ賭博分析者)だ。カンザス州マンハッタンで育った彼女は、おばに連れられてカンザス州立大学のフットボールの試合を頻繁に観戦。最初のスポーツ賭博では、父親からアドバイスを受けた。

ラスベガスに住んでいた2011年9月、学生フットボールで劣勢の3大学に賭け、100ドルの掛け金で8500ドル(約110万円)を手に入れたことで有名となった。これが彼女の「人生を変えた」といい、ナイトクラブの仕事を辞めてスポーツ賭博番組の司会者やハンディキャッパーになった。

スチュワートは、女性がスポーツ賭博産業の拡大の鍵だと述べている。スポーツ賭博に興じる女性が増えた大きな要因は、カジノで対面で行うギャンブルからモバイルアプリへの移行だ。「手元の端末ででき、質問があっても隣の人に尋ねる必要はなく、単にネット検索すればよいため、敷居が下がった」とスチュワートは語る。

ウェイジャートークの訪問者は18%が女性で、今年のこれまでの売上高の11%は女性からのものだ。2019年同時期の女性比率は、訪問者が9%、売上高ではわずか2%だった。

スチュワートによると、スポーツ賭博をめぐる状況は過去10年で大きく変わった。スポーツをする女性が増えただけでなく、女性の間でのスポーツファン層も拡大し、合法化によってギャンブルに興じる人も増えているという。