IR=カジノと誤解する日本人

IR=カジノと誤解する日本人 ● カジノニュース
IR=カジノと誤解する日本人

統合型リゾート施設(IR)に関して、観光庁はこの4月28日を期限として整備計画の申請を受け付け、大阪府と長崎県が整備計画を申請したと発表、今回の申請は出揃った。

国の認可枠は3件であるが、申請が2件だけだからといって自動的に認可されるわけではない。秋頃と言われる発表までの期間、計画書の審査が行われ、その結果として認可が決まる。

ここに至るまでの期間、多くの地域が申請を検討していたが、断念に追い込まれている。最後まで積極的な動きを見せていたのは和歌山県だが、申請期限の1週間前になって県議会が構想を否決し、仁坂吉伸知事は悔しさをにじませていた。

この間、各自治体では激しい賛否両論が吹き荒れた。そのほとんどはIRに「付き物」であるカジノへの賛否であった。ギャンブル中毒患者への悪影響の懸念、治安悪化への不安といった感情的な反感は、政治的に大きな力となって地方政治を揺さぶり、結果的に各地のIR構想は迷走した。誠に残念としかいう他ない。

ただし、誤解してほしくないのは、残念というのは、申請が少数に留まっただけではない。そもそもIRという概念について、日本では、ギャンブルに矮小化された議論、あるいは報道一色となり、正確な理解がされていないということが極めて残念である。

IR=カジノではない

IR(統合型リゾート)の開発は、来るべき「ポストコロナ」の時代における、再度のインバウンド旅行ブームに備える切り札と言える。コロナ禍以前の年間4000万という訪日観光客を海外から迎えた日本だが、コロナ禍に日本人の全く知らないところで、日本ブームは更に加熱しており、今後は年間6000万も射程に入ってくるであろう。(続きを読む Wedge Online