「何を今ごろ」IRカジノ誘致めぐり住民投票を求める声が相次ぐ

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IR誘致めぐり住民投票を求める声が相次ぐ 首長からは否定的意見「何を今ごろ」 大阪と和歌山

大阪府と大阪市が誘致を目指す統合型リゾートIRをめぐり、市民らから住民投票を求める声が上がっています。

大阪府と大阪市が2029年の開業を目指すカジノを含む統合型リゾート「IR」。23日、市民らから意見を聞く「公聴会」が開かれました。

ギャンブル依存症への懸念などから、参加した9人全員が誘致に「反対」。そして、多くの市民が求めたのが、住民投票の実施でした。

【公聴会の参加者】
「重大なことを、決まりかけみたいな所で、ちょっと(意見)聞いて終わり、そんな話じゃないわけで。だから住民投票するべきです」
「進めたいのであれば、まず主権者である府民、市民の同意を得ることが求められると思います」

去年12月に明らかになった具体的な整備計画では、夢洲の液状化対策などに新たに790億円がかかることが分かりました。

大阪市の松井市長は、「土地の所有者である大阪市が負担すべき」としていますが、自民党の大阪市議団の川嶋市議は、「事業者の言いなりになっているのでは」と指摘した上で、民意を問うべきだと話します。

【自民党大阪市議団 川嶋広稔議員】
「まさか選挙(公約)で通ってきたからと言って、790億円かかるとか、そんな話なかった。これだけ当初と違って状況変わってきた。しっかり市民に知ってもららわないと。リスクのことも正しく認識されていない方もいると思うんですね。そういう意味では、住民の皆さんの意見聞かないと」

住民投票を求める声は、IR誘致に名乗りを上げている和歌山でも。市民団体は1月、住民投票の実施を求め、およそ2万人の署名を集め和歌山市長に提出しました。これを受け、尾花市長は24日、住民投票の条例案を臨時の市議会に提出しましたが、多額の経費がかかることなどを理由に反対の考えを示しました。

誘致を進める和歌山県の仁坂知事は…

【和歌山県仁坂知事】「何を今ごろ言ってるんですかと。IRは絶対に必要ですよって、私は断固推進するとして、多数の支持を得て県知事になった。そこは民意は十分反映しているつもりです」

IRをめぐり相次ぐ住民投票実施の声。大阪市の松井市長は…

【大阪市 松井市長】
「賛成も反対もあるかもしれない、でもそんな中でみんな議席を得たんだから、賛否拮抗する時こそ議会、議員が判断しないといけないんじゃないの?それが政治家の役割だと。それを放棄するなら自民党は政治家辞めた方がいいし、解散した方がいいんじゃない」

自民党の大阪市議団は、住民投票を実施する条例案を議会に提出することを検討しています。(関西テレビ)