8月22日投開票の横浜市長選をめぐり、林文子市長(75)が15日、市役所で記者会見を開き、4期目をめざして無所属で立候補すると表明した。争点のひとつであるカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致については「横浜の経済活性化の核となるもの」と述べ、推進する考えを改めて示した。市長選への立候補表明は9人目。
林氏は「他の候補者には負けないし、全身全霊をかけて、命をかける気持ちでやっていく」と述べた。14日に地元経済界の有志らによる要請を受け、同日夜に立候補を決意したという。
コロナ対策や経済活性化に最優先で取り組む考えを示し「とにかくワクチン接種を早く進める。市民が希望がもて、安心できる手立てを考えたい」と話した。
IR誘致については、立候補予定者のほとんどが反対の姿勢を示すなか、「反対されるのは、懸念が残っているから。なかなか理解されないが、引き続き丁寧に説明していく」と話し、依存症対策などにさらに取り組むと力を込めた。
また、2027年に米軍上瀬谷通信施設跡地(瀬谷、旭区)で開催される国際園芸博覧会と、その後の跡地整備を重点施策として取り組む考えを示し、「経済活性化のリーディングプロジェクトとしてしっかりやっていかねばならない」と話した。
林氏は、ダイエー会長や日産自動車執行役員などを歴任し、2009年に当時の民主党の推薦を受けて初当選。前回17年は自民、公明両党の推薦を受け、次点以下に大差を付ける盤石の選挙を見せた。
今回も4選出馬に意欲があるとみられていたが、自民党市連は6月、幹部が林氏に面会し、多選や高齢を理由に立候補しても支援できないことを伝えた。
この点について林氏は、「年齢は個人差があり私はまったくもって元気」とアピール。政党の推薦・支持は求めないという。市長在任は3期までの努力規定がある多選自粛条例については「時と場合による。今はコロナを収束させて市民を守るために、私の経験が役に立つ」と強調した。
市長選では、自民党衆院議員の小此木八郎氏(56)がIR誘致とりやめを掲げて立候補を表明。党市連は小此木氏を推薦するか議論したが、最終的に自主投票に決まった。これを受け、IRを推進してきた市議の一部は林氏支援に回るとみられる。