ラスベガス・サンズ、米国のカジノ資産売却を検討-関係者
・協議が初期の段階にあるとラスベガス・サンズの担当者は説明
・米国部門は既に小規模で縮小しており、売上高に占める割合15%未満
資産家シェルドン・アデルソン氏率いる世界最大のカジノ運営会社、米ラスベガス・サンズはラスベガスにあるカジノの売却を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。売却が実現すればアデルソン氏は米カジノ業界から当面は撤退することになる。
協議が非公開として匿名を条件に語った関係者によると、同社はアドバイザーと協力して「ベネチアンリゾートラスベガス」、「パラッツォ」、「サンズ・エクスポ・コンベンションセンター」への関心を探っており、これらの物件の売却代金は合計で60億ドル(約6300億円)以上となる可能性がある。(続きを読む ブルームバーグ)
アジア事業に集中か
カジノ運営世界最大手の米ラスベガス・サンズが、米最大のカジノ拠点であるラスベガスからの撤退を検討していることが関係者の話で分かった。実現すればラスベガス・サンズの全カジノ資産はマカオとシンガポールに集中することになる。
関係者によると、同社はアドバイザーと協力してラスベガスにある「ベネチアンリゾートラスベガス」「パラッツォ」「サンズ・エクスポ・コンベンションセンター」への関心を探っており、これらの物件の売却代金は合計で60億ドル(約6300億円)以上となる可能性がある。
ラスベガス・サンズの担当者は、売却をめぐる協議が極めて初期の段階にあると説明した。
同社の米国部門は既に縮小しており、昨年の売上高に占める割合は15%未満だった。
マカオを拠点とするコンサルティング会社アイゲイミックスのマネージングパートナー、ベン・リー氏は「米国市場の重要性の低下はラスベガス・サンズが米資産を売却する理由を説明している。米国部門が同社の売上高に占める割合は約15%だが、規制上の負担では8割を占める」と指摘する。
ラスベガス・サンズを創業したアデルソン最高経営責任者(CEO)は先週の7~9月期決算発表後の電話会議でアジア事業の改善が業績向上につながったと説明。今回の資産売却によって得られた資金は他の地域での開発に活用される可能性がある。同社はマカオ・シンガポールの両地域で事業を拡大しており、マカオだけでも22億ドルの投資を見込んでいる。同社は今年、日本での統合型リゾート施設(IR)開発見送りを発表していた。(ブルームバーグ Gillian Tan、Christopher Palmeri)