市民は大反対…菅首相お膝元の「横浜カジノ」の厳しすぎる現実
一時は壊滅状態となったカジノ市場
コロナ禍に負けず経済を回すこと――。
「安倍路線」を継承する菅義偉首相の経済戦略は明確だ。当然、カジノを含む統合型リゾート(IR)は、推進しなければならないし、本人もそのつもりである。
有力候補地は大阪と横浜。大阪は、菅氏との間でコミュニケーションがしっかり取れている日本維新の会代表の松井一郎大阪市長が、夢洲での計画を進め、地元横浜は、林文子市長が反対運動にもめげず、山下埠頭へのIR誘致の旗を下ろしていない。
問題は、世界の新型コロナウイルス感染動向との見合いだろう。コロナ対策によるカジノの閉鎖や入場規制で、今年1~6月期、世界のカジノ市場が壊滅状態となった。
7月以降、徐々に営業再開の動きが現れ、世界最大級の運営会社「MGMリゾート」が、9月末から条件付きながらラスベガス、マカオの全施設で営業を再開するなど、「日常に戻す動き」は、カジノ業界も同じである。
ただ、横浜は一筋縄ではいかない。いろいろな思惑が複雑に絡み合い、解きほぐすのが容易ではない。
「レイムダック状態」の現市長
BMW東京代表、ダイエー会長兼CEO、東京日産自動車販売代表など、実業界での華々しい活躍を経て09年、民主党に担がれて出馬、勝利して横浜市長に就いた林氏は、17年7月の3選目の市長選で、カジノ誘致の姿勢を改め、「白紙」に戻した。
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