カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案の成立の前提となるギャンブル依存症対策基本法が6日の参院本会議で可決、成立した。政府に依存症予防や患者のケアなどに関する計画策定を義務づける内容で、ギャンブル依存症対策を定める法律が成立するのは初めて。IR実施法案も6日の参院本会議で、安倍晋三首相が出席して趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。
基本法の採決では、法案を共同提出した自民、公明両党と日本維新の会の3党に加え、国民民主党と希望の党、参院会派の無所属クラブと国民の声が賛成した。
基本法は、依存症を「本人や家族の日常生活に支障を生じさせ、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪など重大な社会問題を生じさせている」と規定。政府に対策推進基本計画の策定を義務付けた。
与党は基本法の成立を受け、IR実施法案も22日までの今国会中に成立させる方針。首相は6日の参院本会議で、ギャンブル依存症対策に万全を期すとした上で「健全なカジノ事業の収益を活用してIR整備を推進し、世界中から観光客を集める滞在型観光を実現する」と強調した。