政府は2日、統合型リゾート(IR)の中核となるカジノに関して、顔や静脈などの生体認証による本人確認でも入場を可能とする方向で検討に入った。
当初の政府案では日本人の入場者に個人番号カード(マイナンバーカード)の提示を義務付ける方針だったが、普及率が10%程度にとどまっている現状を踏まえ、与党内から別の手段も検討するよう求める声が出ていた。
政府は今後、与党と詳細を詰める。実現した場合、入場者は初回にマイナンバーカードを持参し、生体情報とひも付ける必要があるが、その後はわざわざカードを持ち歩く手間が省けそうだ。
生体認証をめぐる技術は近年、著しく進歩しており、本人確認の手段として急速に普及している。他人による成りすましができないために安全性が高いというメリットがあり、スマートフォンのセキュリティーや国際空港での出入国手続きなどでも活用されている。
政府は2月15日の与党の会合で、すべてのカジノ入場者の本人確認を行う方針を表明。日本人と国内在住外国人はマイナンバーカード、外国人旅行客と海外在住の日本人は旅券(パスポート)の提示を義務付ける案を明らかにしていた。