カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)の区域整備計画をめぐり、国の審査が長期化している背景として、大阪では候補地の人工島・夢洲(ゆめしま・大阪市)で浮上した地盤問題への懸念が指摘されている。国土交通省による8日の立憲民主党への説明を受け、大阪府・市と長崎県が出した計画の認定可否の判断が来年以降にずれ込むとの公算が高まる中、大阪府と大阪市の担当者は「必要な審査を速やかに進めてほしい」と強調した。
夢洲では、これまでに土壌汚染や液状化の恐れがある地層、地下埋設物の存在が判明。土地所有者の大阪市は、約790億円の対策費を負担する方針を示しており、松井一郎市長はこれまでに「課題が残るのは地盤の問題だけと捉えている」と述べていた。
こうした状況の中で開かれた8日の立憲民主党の会合で国土交通省は、年内に計画の認定の可否を判断するのは「厳しい」と説明したものの、大阪府・市のIR推進局は、目標とする令和11年の開業スケジュールには「影響が出るとは考えていない」。長崎県の担当者は「特段のコメントはない」とした。