横浜カジノ白紙撤回がパチンコメーカーに与えた計り知れないダメージ
– カジノに対する横浜市民の思いが凝縮された選挙戦
8月22日に投票が行われた市長選挙は他人事ではなく、投票が締め切られる夜の8時には普段はあまり見ないテレビの前に座って速報が出るのを待機するほどでした。そして大河ドラマが始まった瞬間、まだ開票作業が行われていない段階で野党系の候補に当選確実という速報が。
多くのメディアでこういう結果になると予想されていたとはいえ、ゼロ打ち(って呼ぶそうですね)が出るほど圧倒的な差があったということなんでしょう。選挙における争点はいくつかありましたが、やはり横浜市民の関心はIR(カジノを含む統合型リゾート、以下カジノ)にあったのは間違いと思います。
思えば前回の選挙でカジノ誘致は白紙として当選していた前市長が、2年前、突然に推進を表明してからの反対運動は、いつもはどこか醒めた感じの横浜市民らしからぬものだったというのが筆者の素直な印象でした。カジノ反対へ向けての住民投票を求める署名活動はいろいろな駅前で行われており、いつもなら関心なさげに通り過ぎる人々が署名に協力していた姿は、長年横浜に住んでいる身としても珍しいと感じたものです。
そして必要な署名が集まったものの、市長や市議会与党は無碍なく却下。この時点で今回の選挙結果の方向性は決まっていたのではないでしょうか。IR推進派の首相が応援した最有力候補でさえカジノ誘致凍結を公約にしていましたが、前市長の動きを知っていれば誰も信じないですし、他の有力とされる候補も軒並みIR反対を公約に。これには票の分散を狙ったという意図があるんじゃないかとさえ勘ぐってしまいましたが、もう騙されないぞという横浜市民の強い意志を感じました。(続きを読む 日刊SPA!)