1社撤退「痛い」和歌山カジノIR 誘致断念も

サンシティグループ(マカオ)が和歌山カジノIRから撤退 ● カジノニュース

和歌山県の「カジノを含む統合型リゾート施設」(IR)の運営事業者公募に応じていた外資系2社のうち、1社が辞退したことについて仁坂吉伸知事は18日、定例記者会見で「(残り)1社を選ぶかどうかということになったので、(選択肢がなくなり)痛いなという感じがする」と感想を述べた。

 「サンシティグループホールディングスジャパン」(東京都)が12日に事業撤退を発表。県は残る「クレアベストニームベンチャーズ」(東京都)について、審査を継続することになった。

 同社が必ず事業者に選ばれるかどうかについては「国に提案する区域整備計画が合格する可能性が非常に低ければ、選ばないこともあるかもしれない」とした。一方「選ばないということは、とりあえずここ数年間、IR誘致は諦めたことになる。私はずっと推進をしている。これだけ大きな投資案件、雇用・所得拡大につながる案件はめったにない。和歌山の将来のためにチャンスは絶対生かした方がいい」と述べた。

残る候補は、投資会社クレアベストグループ(カナダ)だけ。同社は北米などのカジノへの投資経験を持つ。ただ「カジノの運営実績が乏しい」(業界関係者)との見方も出ている。

 仁坂知事は18日、「1社を前提に大丈夫かなともう1回考えて、判断していく」としたうえ、「選ばないということは、IRはギブアップしたということになる」と述べた。結果は近く発表される見込みだ。県がクレアベストと組んで誘致を続ける場合も、二つの障壁が立ちふさがる。