和歌山カジノIR、有力候補が撤退へ

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和歌山IR、有力候補が撤退へ 資金洗浄疑惑で急転

和歌山県が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画をめぐり、事業者として有力視されていたサンシティグループ(マカオ)が撤退する方向で最終調整していることが分かった。同社が資金洗浄に関与した疑惑が浮上したため。県による事業者選びは難航してきたが、残る候補は1社だけとなる。

 サンシティは近く、県に撤退意向を伝える方針。同社はベトナムやロシアなどで複数のIRを運営しており、富裕層をカジノに呼び込んで接待する「ジャンケット」(仲介業者)としても知られている。

 関係者によると、同社はIR運営の実績やアジアの富裕層とのつながりがあることなどが評価され、県による事業者選定で有利に立っていたという。だが、オーストラリアのカジノ管理機関が2月に公表した報告書では、同社の顧客がカジノで資金洗浄をしたなどと指摘。同社は「反社会的勢力と一切関与していない」などと声明を出したが、疑惑はぬぐえない状況だ。

 IR事業の関係者は「県と意見が合わなかった。信頼関係を築けない限り、投資はできない」と説明する。