カジノが日本をダメにする? ギャンブル好きの俺たちはそう思わない
東南アジアでのカジノコンプレックス開発を巡る新作『風致の島』を上梓した赤松利市氏と、カジノ好きで知られる黒川博行氏。ハードボイルドな初対談の「出目」はどうなった?
(※抜粋)
パチンコで勝てる? 勝てない?
赤松 私が知ってたパチンコは電動やなかったです。
黒川 昔は手ではじいてたからね。
赤松 18歳の頃、1年だけパチンコで食べてました。「文藝春秋」にパチプロの話が載っていて親指以外は動かさなければ勝てると。やってみたらそんな簡単やないんですが、1ヵ月ぐらい続けたら慣れて、それからは必ず勝てるようになりました。
黒川 台を見られるようになったから?
赤松 台もそうですけど、大事なんは指でした。テング(支柱)を挟みすぎて右手の薬指は今でも曲がってます。
黒川 玉の軌道を一定にするということやな。
赤松 そうです。当時の打ち止めが8000円でした。サパークラブの時給が350円の時代に大阪の十三で1日8000円稼いでました。
黒川 俺はパチンコで勝ったことがない。打ち方はしっかりしてて玉の軌道もちゃんとしてるんやけど、相性が悪いというか向いてないんやろね。
赤松 黒川さんはカジノと麻雀ですね。私はカジノならラスベガスへ。あとはニューオーリンズ。ゴルフ場の仕事をしてたときに年に1回、展示会があったんで。それからバハマ。
黒川 バハマまで行った?
赤松 カジノに行ったわけやなくて、行ったらカジノがあったんです。着いた翌日に行ったら客は誰もいなくて、スロットマシンをやったらいきなり7万円出たんです。私としてはその7万円で滞在中遊べば負けはなしやったんですが、当時の嫁さんが「今やめたら7万円の勝ちや」と言ってそのままやめさせられました。
黒川 それは嫁さんが偉いわ。俺は日本にカジノを作ろうという話が進んでいるのは賛成です。カジノができたらパチンコホールがつぶれます。俺はその方がええと思ってます。世界にはギャンブル依存症の人が、一説では300万人いると言われてるんです。その大半はパチンコ中毒です。
赤松 パチンコ中毒についての本を読んだんですが、対策とか支援をしているのはみんな業界ではなくて外部の団体なんですね。他の国のことを調べたら、そういう仕組みは業界内にあるものなんですが、日本にはほとんどなくて、やってるふりをしてるだけです。
黒川 そのとおりですね。だから規制がキツくなってきた。
赤松 私が昔パチンコにのめり込んでいたときに、上岡龍太郎さんがラジオで言うてたんですが、「パチンコで勝とうと思ったらいかん。一時間やって残った玉でハイライト一箱もらったら、それで得したと思えない人間はパチンコをするな」と。ええこと言うなと思いました。で、日本にカジノを作るのは私も賛成ですけど、その裏にいる政治家が面倒くさいですね。
黒川 そりゃあ、利権の巣になります。すでに収賄容疑で捕まってるのもいてるしね。カジノとパチンコが違うのは、パチンコはルールが不明なんです。カジノはバカラとかルーレットとか種目によって何%取られるというテラ銭が明示されてるけど、パチンコの還元率は不明です。こんなアンフェアな博打はほかにない。(続きを読む 現代ビジネス)
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