国会でIR(統合型リゾート)法案が成立し、日本でのカジノ開設が近づいてきた。当面設置が認められるのは3か所だけに、自治体による誘致合戦が激化している。地元にカジノを──国会閉会中の政治家たちの関心はもっぱらこれだが、政権の二大キーマン、菅義偉・官房長官と二階俊博・幹事長の間に不穏な空気が漂っている。
「関西で鎬を削るのが大阪と和歌山ですが、松井一郎・府知事をはじめ維新の会は大阪への誘致ありきで与党に協力してきたし、維新とのパイプ役である菅長官もその事情は理解している。一方の和歌山も全庁横断一体の『IR誘致推進プロジェクトチーム』を7月に立ち上げるなど気合い十分だが、普通に考えれば関西に2か所は分が悪い。そこで和歌山とすれば、地元の二階幹事長に頼るしかないという状況です」(在阪記者)
その二階氏は最近、周囲にこんなことを言っているという。
「カジノは“東京ディズニーランド方式”でやるんだ。ディズニーランドは東京を名乗っているが実際には千葉にある。だから、大阪カジノという名目で実際には和歌山でやってもおかしくないんだ」
そうなれば菅氏の面子は丸つぶれになるが……。
大阪と並ぶ本命と目されてきた菅氏の地元・横浜にも異変があった。“横浜のドン”と呼ばれる横浜港運協会・藤木幸夫会長が、「カジノは街を壊す」(産経ニュース7月20日付)と誘致反対を表明したのだ。
「藤木会長は、かねて菅氏の後ろ盾と言われてきましたが、最近は距離を置いている様子。産経のインタビューでも、“どうしても横浜でカジノをやるのであれば、『俺がやる』と林(文子)市長にも伝えた”と述べており、今回の発言は菅氏への牽制ではないかとも囁かれている。藤木会長は二階さんとも関係が深いため、『横浜のカジノも二階さんが仕切るのでは』といった声も出ている」(地元記者)
のるかそるかの様相。テーブルを支配するのはどちらか。(news-postseven)
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