ゲンティン・シンガポール(カジノ・リゾート開発) サムライ債(円建て外債)を発行して200億円を調達した。同社は日本市場への投資を視野に入れており、日本でのカジノ解禁に備えて資金を確保した。
同社は24日に証券取引所に提出した資料で、表面利率0.669%の5年物円建て債を発行したことを明らかにした。マレーシアで唯一のカジノ運営会社であるゲンティン・グループ傘下の同社は、日本でのカジノ解禁に備えて免許の申請準備を進める他の外国企業に追随し、東京支店を開設した。
国会では昨年12月に統合型リゾート(IR)整備推進法(カジノ法)が可決されたが、実現にはさらにIR実施法案の成立が必要。ゲンティンは8月、IR実施法案の「行方を見守っている」と表明した。
日本のカジノ市場への進出を狙うのは、シンガポールや英国、米国でカジノを運営する同社だけではない。世界数カ所で総合カジノリゾートを運営する米カジノ大手、ラスベガス・サンズの幹部も最近の日本経済新聞の取材に対し、シンガポールに持つマリーナ・ベイ・サンズよりも大型のカジノ施設を日本で建設したいとの意向を示した。
マカオの銀河娯楽集団も日本の関係者と会い、カジノ運営が地域にもたらすビジネスチャンスについて売り込んだ。一方、ラスベガスのMGMリゾーツ・インターナショナルは在日米国大使館での勤務経験がある元外交官を8月にMGMリゾーツ・ジャパンのトップに任命した。(日経:クアラルンプール=CK・タン氏)
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