フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR) トップのアンドレア・ドミンゴ氏はマニラでのカジノ免許について「早期の段階でリスクをとり、多額の投資をした企業を保護したい」と述べた。今後5年間は発行しない見通し。
カジノが過剰状態に陥ることを懸念する企業の意見を規制当局が受け入れた。ドミンゴ氏はマニラの総合カジノリゾート「エンターテインメントシティ」でのカジノ免許を持つ4社が先月、認可の一時停止を求める意見書を提出したことを明らかにした。
ドミンゴ氏は、PAGCORが最近、米国企業によるマニラ首都圏のカジノ免許の申請を却下したことを明らかにした。その米企業がエンターテインメントシティの最低投資額である10億ドル(約1110億円)を上回る投資を申し出たにもかかわらずだ。同氏は「カジノの過度な増殖は望まない」と述べた。
カジノ投資の先陣を切ったのは、2013年3月に「ソレア・カジノ」をエンターテインメントシティに開いたブルームベリー・リゾーツだ。また、日本のユニバーサルエンターテインメントが所有する「オカダ・マニラ」は昨年12月に総合リゾートの一部営業を開始した。両社の幹部はこのカジノ地区の供給過剰とそれが利益に及ぼす影響を警告していた。
カジノ免許を保有する企業はこの他に、14年12月に「シティ・オブ・ドリームズ・マニラ」を開業したメルコ・クラウン・リゾートと、同国の実業家アンドリュー・タン氏とマレーシアのゲンティン・グループの合弁会社、トラベラーズ・インターナショナル・ホテル・グループがある。トラベラーズは21年までに「ウエストサイド・シティ・リゾーツ・ワールド」を開業する予定。
カジノ認可の一時停止は、マニラ以外でのビジネスを促進するドゥテルテ大統領の政策も影響している。ドミンゴ氏は最も人口の多い地方の一つである中部セブ島への総合リゾートの申請2件を承認したことも明らかにした。セブ島からは韓国や日本への直行便が出ている。(Nikkei Manila)