ベトナムでは国民のカジノ入場を合法化 (外国人限定から転換へ)

ベトナム カジノ

国民のカジノ入場を合法化 年間8億ドルの税収流出防止

ベトナム政府は、国民のカジノ入場を条件付きで合法化した。また、同国のカジノ事業への最低投資額を20億ドル(約2244億円)とし、従来の40億ドルから引き下げた。今後、外資カジノ関連企業などの投資拡大が見込まれる。現地経済紙ベトナム・インベストメント・レビューなどが報じた。

これまでカジノに入場できるのは、外国人と国外在住のベトナム人に限られていた。3月以降は、21歳以上で月収が1000万ドン(約5万円)を超えるなどの条件付きで国民のカジノ入場が可能となる。

ベトナム国民は、国内のカジノ入場が禁じられていたため、カンボジアなど周辺国のカジノに出向いていた。これにより、税収の損失額が年間8億ドルに上るとされる。ベトナム政府は国民のカジノ入場合法化で税収の流出を防ぎたい狙いがある。

加えて、カジノ事業への最低投資額の引き下げによる経済効果も期待される。政府系シンクタンクは、カジノ事業への外国からの投資が30億ドル増加すれば、国内総生産(GDP)を0.58%押し上げるとしている。

米系法律事務所ドゥエイン・モリス・ベトナムの報告書によると、現在、ベトナムには営業ライセンスが交付されたカジノ施設が7カ所にある。同事務所のオリバー・マスマン代表は、ベトナムは中間層や富裕層の増加が予測されるなか、カジノなどを含む高級リゾートへの需要が高まるとし、同国でのカジノ事業は伸びしろが大きいと指摘する。

中部トゥアティエン・フエ省でホテルなどを運営するシンガポール系リゾート大手バンヤンツリー・ホールディングスは、カジノ事業参入を政府に1月に申請したほか、多くの外資カジノ関連企業がベトナムでの事業に興味を示しているもようだ。

ベトナムは2009年から協議してきた結果、国民のカジノ入場合法化に踏み切った。今後3年間、試験的に取り組み、国民のカジノ入場合法化を継続するかどうかを決定するとしている。(Sankei Singapore)