韓国政府は18日、外国人限定カジノを伴う2カ所のリゾート施設建設を新たに許可すると発表した。3兆5000億ウォン(32億5000万ドル)程度を投じ、3カ年計画で観光業を促進する。
政府の声明によると、今年後半までに運営会社2社を選定し、各1兆ウォン程度の投資を見込む。
韓国ではすでに、米シーザーズ・エンターテインメント・グループ や香港華僑系財閥のリッポー などから成る企業連合がカジノ事業の予備免許を認可された。
国内企業のパラダイスとセガサミーホールディングスの合弁事業は、ソウル西部の仁川でカジノリゾートをすでに建設着手している。
【ラスベガスのようなカジノリゾート、外国人観光客誘致で内需再生】
米ラスベガスのようなカジノと一流ホテル、ショッピングモール、国際会議場などを備えた1兆ウォン規模の複合リゾートが韓国で2カ所さらに設置される。観光客が訪れやすい市内免税店もソウルに3カ所、済州(チェジュ)に1カ所が追加で設けられる。
18日に韓国政府が関係官庁合同で発表した投資活性化対策のひとつの軸は観光インフラ構築を通じた内需再生だ。韓国を訪れる外国人観光客は昨年1400万人を超えた。過去5年間に年平均12%ずつ増えた。これに対し同じ期間にホテル客室数は4.3%の増加にとどまった。免税店や複合リゾートのような観光施設も依然としてたりていない。
これに対し韓国政府は年内に1兆ウォン規模の複合リゾート2カ所をさらに選定することにした。複合リゾートはカジノと一流ホテル、ショッピングモールなどを1カ所で楽しむことができ、それ自体がひとつの観光スポットだ。
韓国では昨年11月に韓日合弁のパラダイスセガサミーが仁川(インチョン)の永宗島(ヨンジョンド)にパラダイスシティを着工した。年内には米中合弁企業のリッポー&シザーズが永宗島のミダンシティに、シンガポールと中国資本が参加する神話歴史公園は済州島(チェジュド)に着工する予定だ。
事業者は文化体育観光部が内外の投資家を対象に公募する。地域制限はない。1カ所当たり1兆ウォン規模(土地取得費除外)で、建築延べ面積の5%以内で外国人専用カジノが認められる。
文化体育観光部のパク・ミングォン体育観光政策室長は、「韓国の大企業も参加でき、事業者が鬱陵島(ウルルンド)でも事業が可能だと考えればそうした計画で公募に応募できる。カジノ産業の透明な運営のためにカジノ・複合リゾート監督機関を新設することを検討している」と話した。
現在外国人だけが筆頭株主になれる永宗島のような経済自由区域内でも韓国の投資家が筆頭株主として参加し複合リゾートを建設できるよう関連規定を改正する計画だ。ただし経済自由区域の趣旨上、5億ドル以上の外国人投資を含まなければならない。
企画財政部サービス経済課のイ・ヒョンリョル課長は、「経済自由区域に外国人企業が投資すれば5年間の法人税免除と追加で2年間法人税を半額とする優遇策があるが、外国人投資比率相当の税制優遇を受けられる。この場合、カジノによる純益は除く」と説明した。
最近売り上げが急増している市内免税店はソウルに3カ所、済州島に1カ所が追加で作られる。ソウルにできる免税店2カ所は大企業が参加できるがソウル地域の残り1カ所と済州島にできる免税店は中小・中堅企業が運営することになる。
観光客が多く訪れる首都圏、済州、釜山(プサン)などには2017年までにホテル客室5000室が増える。産業銀行の投資と信用保証基金の保証などを通じて3年間にホテル建設資金1兆ウォンを支援する。