日本でカジノ解禁を巡る議論が進む中、日本と韓国の企業が合弁会社(パラダイスセガサミー)を作って韓国でカジノを含む複合リゾート施設を建設することになり、20日、起工式が行われました。
これは、日本のゲームやパチンコの大手メーカー「セガサミーホールディングス」と、韓国でカジノ事業などを手がける「パラダイス」が、合弁会社を作って韓国西部のインチョン(仁川)にカジノを含む複合リゾート施設「パラダイスシティ」を建設するものです。
20日、現地で起工式が開かれ、日本大使館の別所浩郎特命全権大使、セガサミーの里見治会長兼社長ら、韓国側からは仁川広域市の劉正福市長、仁川国際空港公社の朴完洙社長、パラダイス社の田必立会長ら約400名が出席しました。
オープンは2017年3月ごろを目指しており、広さは東京ドームのおよそ7倍で、ホテルや商業施設などが入り、カジノは韓国で最大規模になるということです。総投資金額は約1兆3000億ウォン(約1370億円)。うちセガサミーは1429億ウォンを投資し、運営会社に対する出資比率は45%。
アジア最大のハブ空港で年間4167万人が利用する仁川国際(インチョン)空港から徒歩10分、鉄道も直結するなどアクセスに優れているという立地条件を生かし、急増している中国人観光客を引き付けたいとしています。
施設内にはカジノの他、ラグジュアリーホテル、商業施設、コンベンションホールなどが揃い、国際会議等も実施できる施設になる見込み。オープンは2017年上期。
日本では超党派の議員連盟がカジノ解禁に向けた法案を取りまとめ、2020年の東京オリンピックまでにカジノを解禁するかどうか議論が進められています。
こうした動きを踏まえて、セガサミーとしては、カジノ経営の実績がある韓国側の企業からノウハウを学びたい考えで、鶴見尚也専務は「日本の会社でカジノの運営経験の蓄積がある会社はない。今回の投資を通じてノウハウの蓄積を進め、日本で法律が成立すればそのノウハウを日本へ移して、われわれがカジノの運営ができるよう体制作りをするのが大きな目的だ」と話していました。