世界のカジノ王が日本に1兆円投資の用意?

世界のカジノ王が日本に1兆円投資の用意?白熱化する日本カジノ構想

世界最大級のカジノ運営会社ラスベガス・サンズは2014年2月24日、日本でのカジノ解禁を視野に、日本国内に100億ドル(約1兆円)を投資する用意があることを明らかにした。来日した同社オーナーのアデルソンCEOが記者会見で表明した。世界的なカジノ王として有名なアデルソン氏が日本への投資を表明したことで、日本でのカジノ構想がさらに白熱化してきそうだ。

アデルソン氏世界的なカジノ運営会社は、カジノの本場ラスベガスを本拠としているところが多い。
アデルソン氏は比較的新しいカジノ王で、もともとはラスベガスのコンピュータ展示会「コムデックス」のオーナーであった。1993年にソフトバンクがコムデックスを買収した資金を元に、廃れていた往年のカジノ・ホテル「サンズ」を買収、その跡地にベネチアンという巨大カジノ・ホテルを建設し一躍有名になった。その後は、マカオに進出し、最近では空中プールで有名なシンガポールのマリナベイ・サンズなどを手がけている。

このほか、ミラージュ、トレジャーアイランド、ベラージオなど著名なカジノ・ホテルをいくつも手がけたスティーブ・ウィン氏が率いるウィン・リゾート社、MGMグランドを中心に多角的にカジノを経営する巨大カジノ・グループMGM社などがあるが、いずれもアジアに高い関心を寄せている。

だがカジノの開設には、国の規制や利権など様々な要素が絡み合うため、一筋縄でいくものではない。アデルソン氏は2012年にスペインのバルセロナかマドリードに約3兆5000億円の資金を投じて巨大カジノを建設すると表明、債務危機に瀕するスペインでは大騒ぎとなった。
 
バルセロナとマドリードは、プライドをかなぐり捨てた誘致合戦を行い、結局マドリードが勝ち取ったものの、2013年に突然アデルソン氏が撤退を表明、カジノ構想は泡と消えてしまった過去がある。

アデルソン氏は、自身の飛躍のきっかけとなったソフトバンクの孫正義社長の名前をあげ、「孫氏のようなリスクテイカーとパートナーを組みたい」と述べたという。この発言には、「孫氏にその意向があるのかは分からない」との前置きがあり、孫氏がカジノ・ビジネスに興味を示しているかどうかは不明だ。

ただ孫氏なのかどうかはともかく、大きなリスクを取れるパートナーが現れれば、アデルソン氏が日本に本格進出する可能性はある。カジノ誘致は経済活性化の秘策として歓迎する声がある一方、批判的な意見も根強い。米国のカジノ王が声を上げたことをきっかけに一気に話が具体化することも考えられる。そろそろ日本でもカジノをどう扱うべきなのか、オープンな議論が必要なタイミングだろう。




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